2011年1月14日金曜日

奇遇 3

雲をつかみ
上に立ち
膝まで浸かりながら歩いた

ブロッケンの妖怪に心を洗われ
テニスコートの太陽柱に
自然に
慣れる

天使のささやきから
上下左右も不明で宇宙空間と化す暗黒世界に
無に
目覚める

七夕も一週間も立て続いての月の暈が
良き時間だけを思い起こさせる

忘却の曲線を遡る

習慣だった陰膳に
≪誰の≫
首を傾げつつも身体は動いていた

無意識の意識の間隔は炭に
「火が点き難いんです」
甘えてくれた内なる影を

逆さ富士の湖で写生する





(【夏下冬上】のブログに09年10月03日投稿分から移しました)

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