2010年2月28日日曜日

ダイヤモンド・ダストは音色に抱かれてこその素晴らしさ

今夜から花にも例えて良い雪、らしい。
見た目には美しくとも疑惑を感じざるを得ないほどの心地よさは、
威力を振りかざす自然の物に更なる勢いを与えてしまう。
信じられない体験には、
自分の心の更に強き持ちようが求められます。


自身の下手な認識へと、
磨く美学で秘密を保ちつつ・・・力み返る。
これが、ダストの色音・・・
・・・花の色、華ある声。

これから雪が舞うも、
まだ天気の良い昼間の太陽には空気中の凍った水蒸気に光、当たり、
キラキラ、降ってきます。
これがダイヤモンド・ダストなんですが、
浮かんでいるように見えます。

キレイです。
が、それだけのもの。
きれいに〝キレイな〟化粧された近寄りがたい女性とも似てくる。

いつかNHKの番組で、
「天使のささやき」
とも呼ばれる音色を録音したって触れ込みがあったんで観たんですが、


・・・・・?・・・・・


さっぱり解んなかった。。。


?・・・・・


なぁんにも・・・聞こえない。
あれって、どんなに録音技術が進歩したって・・・無理、だと思う。
ま、作るってレベルになってしまうんじゃないかと、私は感じます。
というのも、あれは耳で聞ける類の、音じゃないから。

身体で聞く、感じる、触れる、現象だったからです。

わたしの時は、
衣服の中で口籠もる自分自身の命さえ、邪魔でした。
そこまでの静けさが求められる、って現実があるのです。
経験されたい方、時と場所に向かわれる方に一言、

お腹一杯にならないで、空腹が良い。
仲間と一緒だったら、離れて。
ダイヤモンド・ダストが見られたら服の、ざわめきも消して。
同じく枯葉など音を立てる地面には、立たないで。
木々に小枝に葉っぱからも、離れて。
そして騒々しい心構えで、待たないで。

素晴らしい・凄い体験だった。
凍え果てるも贅沢で乾杯できたボディの音叉、
あなたの所持品になる、


「・・・・・・・・・・
・・・・・」




普通、音には音源というものがあると思う。わたしは素人ですが。
ところが、このダイヤモンド・ダストでは方向が、ない。
つまり、あなた自体が音源の中に取り込まれている、ってこと。
四次元の世界とでも言ったら良いんでしょうか。
取り込まれた挙句、あなたが生きている証そのものが、


天使のささやきと溶け合う。。。





2010年2月27日土曜日

雪の結晶の傍らで奇跡の夏下冬上に抱かれる

鈍く白ばむ眉がきゅうきゅうとするも冴え凍り一本一本垂れ下がってくる。

立ち昇らないで湯の面にまつわり伝わってくる冴えの湯気が私で凍りつく・
・・・つらら?・・・つまようじ、・・・みたい・
なんとなく、頭を手の平で、軽く、押さえてみた。
パリパリパリッ、パリッ、

長崎皿うどん?・・・だっけ。
あの、とろみ乗っかった固い揚げ麺の中華・・・
あれを箸で押さえつけた感触に音、まんま、違う形で蘇る。


ここは露天風呂。
脱衣所からわずか10メートルくらい石段を降りた所の岩風呂なんですが・
これが、慌てて飛び込めない。
転びの露骨な格好が宙に逞しく浮かぶ。
とてもじやないが、おっかなびっくり・・・
・・・これこそ恥ずかしい、パントマイムである。
今しがた瞬間芸で服を剥ぎ取った気合は何処へやら、
凍った紫煙に肺ん中を洗われつつ・・・
・・・身も心も集中させ、
自分の中で戦わせ。。。

天ぷらに揚げる髪型から、寄り目での・つらら・・・
絶え間なく無邪気な子供の頃に帰れての無心で、遊んでしまう。
私の眉毛が今ところどころ禿げるも群れ立ってんのは、このせいだ。

なんて正に頭寒足熱の心地よさ、
ぬけぬけと昔話に散策する。


自然との一体化を目指して置いた小屋を数日、留守にしていた。
帰る前にと、一風呂、浴びたんです。
10年ぶりだか20年ぶりだかの寒波に襲われた日本列島でした。
標高700前後でも、わたしには御山。





小屋の中は外気より凍りついていた。
なのにファンヒーター、ポンで良いのに、
なぜか・・・できなかった。

→ビール→炭→囲炉裏→かっぽ酒→なにか焼こう→

身体は芯から温まってるから遊び心なんて余裕も持てたんです。

動き出したら、
これ見よがしの窓ガラスに押される雪印な六つの花に気が付く。
こんなにも雪の結晶が大っきいなんて思ってもみなかった。
それでもまだまだ規則正しくも艶やかに育っていく。
ひとつひとつ、まったく異なる姿かたちで咲き誇る。
・・・ピッピッピッ・・・・・ピッピッピッ・・・
音はしないが・・・そう鳴き合わせている。

互いに舐め回すように見合う・・・
しらばっくれてるが私の体温から呼吸さえ・邪魔でしょう。


・・・・・、


そうそう炭だ。
そこまでまったり見とれているほどの温かさは独り身でもあるし、ない。
何時ものように、ずんぐりむっくりした安くて脆いがゆえに火付き良い炭、
穴の空いた切り口をガスコンロの金網の上に並べ立て、点火した。

待っている間、囲炉裏に備長炭も用意する。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・ん・・・・・?・・・・・ん・?
コンロの炭から赤い火が見えない・・・なんで?
待っても待っても・・・知らん振り・している。

明かりのせいで見えないだけ。
・分かりづらいんだ、と許す。
手馴れた捌きで五徳の間に収めた。
上に、備長を、すっきりしゃんと乗っけた。









おかしい。おかしすぎ。
ここまできても、なんにも・・・変わんない。
だいたい、火が点いているのかどうかさえも・・・
さっばり、わからん。
畳みに頬を摺り寄せんばかりにして、よくよく見ると・・・

五徳が置かれた灰を舐め、
上に置いた備長を嘲笑い、
湖の水面に立つ朝霧みたいな薄紫色の紋様、
水に見立てた灰に描いている。

びっくり仰天して見とれている・・・と、

だんだん地吹雪みたいな火炎になってくる。
んで、慌てて、冷たい備長の上にと、乗せ変えたら・・・
・・・炎の道ができたのか、
打ち上げ花火が成功したかの勢い、
炭に火の少なさ小ささの割には大きな音を立て、
下へと噴き出す火柱・

見る見るうちにスペースシャトルみたいに凄い音、
噴射になる。


・・・・・、


・・・そして・・・夏の、
普段の囲炉裏になってくれるのです。
信じられない自然現象でした。

これが夏下冬上の、姿です。

この時、
日本酒はシャーベットになって瓶から出てきてくれず、
食べられなかった。
これが悔やまれて悔やまれてなりません。
いったいどんな味だったんでしょうね。
ちなみに剣菱でした。





成熟していくにつれて親しげに手ほどきする、
うっとり見惚れてしまった白雪の語る口ぶり、
一滴も余分にしゃがみ込まず、
心得と旅立っていたのは、

・・・雪の結晶・







2010年2月26日金曜日

御山に比翼塚の師範と、わたし

雲をつかみ
上に立ち
膝まで浸かりながら
歩いた

雲に指を入れると
まるで
机の陰に隠れたよう

ただ
よくよく目を凝らすと
鳴門の渦潮みたいなのが
小さいのがたくさん
たくさん小さいのが手を取り巻き
渦巻いている

ブロッケンの妖怪にも
こころ
洗われる

テニス・コートの太陽柱にも
自然に
慣れる

天使のささやき
上下左右も不明
宇宙空間と化す暗黒世界に

目覚める

七夕
一週間も立て続いてくれた
月の暈
良き時間だけを
思い起こさせる

忘却の曲線
遡る

習慣だった陰膳に
『誰の』
首を傾げつつも
身体は動いていた

無意識の意識の間隔
炭に
「火が点きにくいんです」
甘えてくれた内なる影

逆さ富士の湖で写生する