2009年7月20日月曜日

茶を楽しむ

裏千家、表千家、武者小路千家。私は何ひとつ知らない。分からない。
この身に刻み付けてくれたのは、
「おいしかった」
これだけでは駄目だったのでしょうか。


ここから文中に取り込むのは俳句や短歌じゃなくって、語句に過ぎず、
叫び、接着剤と捉えてください。
生き恥を曝します。

別に空ありてしとしと綺う雨。

感情と意志にポロポロ脆く、単調でも果敢に尋ねる冒険心ある色んな
雲雨の色々を、風の子の根問いで嗜もうとはしなかった。

宵いずこ紅白芽吹く梅襲。

「ふたりだけで話をしたら・・・」

妹を諭しておられた姉は、
恥ずかしがる声音の慎ましさも、わたしの様子へ絡み合わせているの
にの、不自然な意外と思う顔つきに、
「ふたりだけで話をしなさいっ!」
呆れて、さっさと立ち去られるところを、
開けっ放しな、"えっ"にて、
「おねえさん!」
肝を潰した千尋の谷から見上げる一方で姉のスカートに縋り、びっく
り箱のバネ仕掛けみたいに甘えて放すまいとしたが、誰が見ても一目
瞭然の、その心積もりとは裏腹の恋という着物には苛立ちで打ち捨て
られた。
上り鮎みたいな師範だった。本人はそれで満足したようだ。

突如として煌めきやがった。
ぎこちなさなんて仕切り直し、スカッと、天目酒を控えるように説か
れていても、薫りも降り注ぐかの満開の桜の木の下で双方の納得ずく
に自由な聞き上手にと、こんもり生う匂いを大気の満開にて、すっく
と曜変させる。

のめった私ごときが、のたうつキーボードで埋め立ててしまう沙汰に
は、道の内幕の方々も呆れ返られるかも、とは無恥でも下せるつもり
ですが、茶を持ち合わさない案山子にしてみれば、夢の直路。
豊かに振舞う面立ちだった。
陽だまりな会話が生唾へと寄木細工する。

付け入る綻びが何処にもなかった。
揺れ動く最中にも、である。
それも私は未熟者でも画商だ。なのに見つけられなかった。
何故だか足の甲でふっくらさせた反りの尚更を、ぴくぴく悩ましげに
物思う。これは水のわななきして汗に濃やかな愛情の、秘めやかに牡
丹雪する春の使いだったんでしょうか。
適度を配り分ける密度は松園画伯の一幅だった、と無双の夜長で見え
隠れする今です。


この娘との結婚について画商仲間に相談したことがあった。
「うまく運べば凄い画商になれる」
信用もあがり、人脈もできるみたいにも付け加えられたが、計算され
るのが嫌で嫌で堪らなかった。

「おいしい」"立ち居振る舞いが言葉では言い表せないほど凄い"
だけでは駄目なのでしょうか。
なぜ、ここにカネやら人脈が入り込むんだ。
私が欲しかったのは、うまい茶と女としての裏千家師範だけだった。

師範を逝かせたばかりのころ、中洲で最後の〆に寿司やに入った。
茶に、つい「おいしい」と言ってしまったら、奥から年配のご婦人が
顔を出される。少し言葉を交わした。
常日頃から茶の大切さを店の若い女性にいっておられたみたいです。
日は過ぎて、トロや甘えび目当てではなく、茶を目当てに何度か足を
運んだが無駄足でした。
おいしい茶は、これっきりになっている寂しすぎる私です。





やすらぎの席にくちづけ横たわり忘れな草のいつまで草の





闇裂くは死出の田長(ホトトギス)と伝え聞き嘆きの霧も正しく堕ちる











0 件のコメント:

コメントを投稿