2010年2月26日金曜日

御山に比翼塚の師範と、わたし

雲をつかみ
上に立ち
膝まで浸かりながら
歩いた

雲に指を入れると
まるで
机の陰に隠れたよう

ただ
よくよく目を凝らすと
鳴門の渦潮みたいなのが
小さいのがたくさん
たくさん小さいのが手を取り巻き
渦巻いている

ブロッケンの妖怪にも
こころ
洗われる

テニス・コートの太陽柱にも
自然に
慣れる

天使のささやき
上下左右も不明
宇宙空間と化す暗黒世界に

目覚める

七夕
一週間も立て続いてくれた
月の暈
良き時間だけを
思い起こさせる

忘却の曲線
遡る

習慣だった陰膳に
『誰の』
首を傾げつつも
身体は動いていた

無意識の意識の間隔
炭に
「火が点きにくいんです」
甘えてくれた内なる影

逆さ富士の湖で写生する







                            

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