2010年1月1日金曜日

地衣に咲き風擦り抜けて去年を斬れ

明けましておめでとうございます。。本年もよろしくお願いします。




師範や先生方、亡父や亡くなられたばかりの伯父の夢を見る。華やかなパーティに呼ばれていた私です。同じテーブルに座って居られるのだが遠くて、彼女や父親は黙って私を見ていただけなのに、伯父や何人かからは名前で呼ばれていた。
光の塊だけで、誰も、顔や姿がはっきりしているのではなかった。そうではあるが一人だけ、彼女だけは、顔だけが、ますます、ぼんやり、夏虫の色で遠ざかるのです。
私が駆け出しても、まるで〝サモトラケのニケ〟みたいに。でも倶会一処でした。
約束の時より遅れた私を、席に座っておられた方々は笑みを浮かべた優しさで、手まで振って迎えてくれました。伯父に至っては立ち上がって、大きく手招きまでしてくれている。
呼ばれているのに何人かの方は誰かも分からなかったのに。
亡くなられている大切な方々ばかりが集まられ、呼ばれている夢なんて始めて経験する私です。色つきの夢さえ記憶に無いのに。
背景の分析が生まれる。問いの答えは元旦にまだ見つからない。






緑濃く 淡くは木々の縦糸

浮遊の雲霧は 青紫の横糸

血涙の 哀しい伝達が

否 懺悔だけの老いが故

人生において折々の 教えとして

傍線を胸に 刺繍しながら

片色と 織り上げてくれる

遺品として 確かに受け継いでおります





今年こそ。
(タイトルの去年は“こぞ”と読みます)

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